創業100周年記念特集2

「りんかい日産建設」から
「RN建設」へ
新たな社名に込めた100年の想い

「協働・共創」というDNA

─ 岸 : 他のステークホルダーとの協働・共創についてはいかがでしょうか?
─ 村崎 : まず「地域社会」についてですが、当社のビジネスは地域との関連性がとても深いと言えます。例えば、現在施工中の常陸太田市の「新総合体育館新築工事」では、地域に根ざした建設会社と連携してプロジェクトを進めています。見学会 を行うなど、地域住民との交流も積極的に行っています。子どもたちに、「建設は夢のある仕事だ」と伝えたいですね。
─ 岸 : そのプロジェクトは「ジョイントベンチャー(JV、合 弁会社)」で進めているのですか?
─ 村崎 : はい。JVを組成しています。当社が幹事会社です。
─ 永尾 : 2社以上が協力し合って大きな事業に取り組むJVでは、お互いに補完し合える関係を築くことが重要です。また、多くの取引先と共に支え合って事業が成立します。
─ 向井 : 建設会社だけでなく、高炉メーカーや金属メーカーといった、素材・原料の供給先やプラント関連企業との連携・協業も重要ですね。
─ 永尾 : 当社もまた、旧りんかい建設と旧日産建設が合併し、各々得意分野が違うため補完し合うことが可能となり成長してきました。つまり、当社には「協働・共創」というDNAがあるのです。
─ 岸 : 事業以外の面ではいかがでしょうか?
─ 村崎 : 東京湾の水質や、東京湾の再生、環境・自然の保全を目的とするイベント「東京湾大感謝祭」に、毎年参加・出展しています。また、2025年から栃木県佐野市にある自然共生 サイトであるモリ田守センターの「フクロウ保護プロジェクト」にも参加しています。

取締役専務執行役員 村崎 善道の写真
取締役専務執行役員 (管理本部長) 村崎 善道

次の世代をどう育てるか

─ 岸 : 新生・RN建設の経営を担う立場にある者として、持続可能な社会の実現に向けて、ぜひ取り組みたい目標や課題はありますか?
─ 村崎 : 創業100周年を記念して、社史を発行します。その内容を通して、社員にはぜひ当社のルーツや創業者の想い、これまでの歴史などについて学んでいただきたいです。また、100年の歴史を背に次代へ挑む当社の姿勢を、まさにこれから活躍が期待される俳優の蒼戸虹子さんに託したCMを制作しました。
─ 永尾 : 社員の学びは重要です。持続可能な企業には欠かせないと考えています。
─ 岸 : 他に、具体的な課題などはありますか?
─ 村崎 : 「女性活躍」ですね。建設業界は「男社会」と言われており、当社も女性比率が少ない状況です。しかし、一般職として入社した女性社員が「学び」によって建築関連の資格を取得し、総合職へとキャリアを転換するといった動きも出てきました。女性社員数の分母を増やすだけでなく、「建設の現場で活躍する女性」も増やしたいですね。また、この課題と関連しているのですが、サステナブルな取り組みなどを通じて、「RN建設」の知名度・認知度をさらに高めたいとも思っています。認知度が高まれば、女性も含めた多様な人財がさらに集まってくるはずです。社員の矜恃や帰属意識も変わると思います。

「信頼」で、新たな社会貢献へ

─ 岸 : 事業関連ではいかがでしょうか。
─ 向井 : りんかい建設も日産建設も、創業時から公共事業を数多く手がけてきた企業です。この伝統を守り、インフラ構築などの事業を通じて、国や地域社会に、さらに貢献したいですね。また、特に環境・再生エネルギー分野では海外展開に挑戦したいと考えています。先日、東南アジアへ出張したのですが、環境問題が多い印象を受けました。当社の技術を通じて、東南アジア全体の発展に寄与したいですね。
─ 岸 : 近年、環境・再生可能エネルギー分野や海外展開において、御社の事業領域が一層拡張され、その視野の広がりを強く感じています。
─ 永尾 : 私たち経営陣だけでなく、社員も「持続可能な事業」をより広い観点から、より深く捉えるようになりました。だからこそ、新社名のもとではこれまで以上に「信頼」を大切にしたいと考えています。建設業は、手がけた案件が子の世代、孫の世代まで使われるのが一般的です。当然ながら、その責任は 重い。だからこそ、取引先をはじめとするステークホルダーとの信頼関係が大切になります。また、長く使われるものを手がけるからこそ、持続可能な企業であることが必要です。私の理想は「家族を就職させたい会社」です。自信をもって家族に勧められる会社になれたら、経営者としてもうれしいですね。

取締役専務執行役員 向井 達典の写真
取締役専務執行役員 (事業統括本部長) 向井 達典

社員への期待、そして未来に向かって

─ 岸 : ここまでのお話を通じて、社名変更が持続可能性と密接に結びついていること、ならびにRN建設の事業が長期的に 安定した発展を目指す方向へ進化していることが、深く理解できました。また、創業以来受け継がれてきた想いが、形を変えながらも一貫していると感じられました。それでは最後の質問です。持続可能な未来のために、社員の皆さんに対してはどのような挑戦や行動を期待されていますか?
─ 村崎 : 今の時代は課題が常に山積みです。だからこそ、「学び続けること」が重要になります。そして、解決のために「考え抜く力」をさらに養ってほしいですね。一方で、DXやAIもうまく活用して生産性や品質を高め、より高度に社会課題を解決し続けていただきたいと思います。
─ 向井 : DXについては、プロジェクトメンバーが最新動向をしっかり学び、より高度な活用方法が検討されています。こうした取り組みは続けつつ、社長が「融合」と表現した部分、つまり人と人のネットワークを、より強固にしてほしいですね。
─ 永尾 : 私は、次の世代を担う社員にはぜひ「原点回帰」をしてほしいと思っています。歴史上の原点に戻るという意味だけでなく、社会人としての原点という意味でもあります。顔を 合わせたら挨拶を交わし合い、報告・連絡・相談を今まで以上にしっかり行う。そんな、当たり前のコミュニケーションを重ねることで、信頼や絆が強まります。同じ目標に向かって、より大きな力を発揮できるはずです。
─ 岸 : より価値の高い協働・共創を実現でき、危機に対して強靱で回復力の高い企業になるには、社員一人ひとりの「成長」と、「信頼関係」がますます重要になりますね。
─ 永尾 : そうですね。それによって、長期ビジョンで描いた「笑顔」溢れる企業を実現できるのだと思います。新社名のもと、経営陣が責任をもってビジョンを示しつつ、社員一人ひとりを信任し、そして彼らの成長を期待しながら、共に新たな未来を築いていきたいですね。
─ 岸 : 100年の歴史を『社会課題の解決』という一本の軸で振り返り、さらに『RN建設』という新社名に未来への覚悟を込めた皆様のお話に、強い一貫性を感じました。本日はありがとうございました。

キシエンジニアリング株式会社 代表取締役 兼 東京都市大学・「ひらめき・こと・もの・ひと」づくりプログラム 特任教授 岸 和幸の写真

岸 和幸

キシエンジニアリング株式会社 
代表取締役
東京都市大学・教育開発機構 特任教授

「人と自然が調和している持続可能な未来の共創」をテーマに、サステナビリティ経営の全般的なサポートや、学生をはじめとする次世代の啓発活動を行っている。 RN建設では、「SDGs勉強会」(2021年7月~ 2023年3月)の講師、サステナビリティ経営アドバイザー(2023年4月~現在)を務めている。