創業100周年記念特集2
「りんかい日産建設」から
「RN建設」へ
新たな社名に込めた100年の想い
りんかい日産建設は2026年4月、「RN建設」に社名を変更し、同年5月に創業100周年を迎えました。そこで今回は、社名変更の理由や新社名に込めた想い、そして持続可能な未来に向けた今後の取り組みについて、役員による座談会をサステナビリティ経営の専門家である岸和幸先生をモデレーターに迎えて実施。そこから見えてきたのは、未来へとつながる「創業以来の一貫性」でした。
「社会課題の解決」から始まった100年
─ 岸 : 創業100周年おめでとうございます。皆さんは、RN建設の100年の歴史をどのように理解されていますか?
─ 永尾 : 強く感じるのは、当社のルーツが「社会課題」と密接に結び付いているということです。2003年に「りんかい建設」と「日産建設」が合併して「りんかい日産建設」が誕生しましたが、りんかい建設も日産建設も、当時の社会課題を解決するために創業しています。
─ 向井 : りんかい建設は、1920年代に行われた羽田空港埋立工事を行うために設立されました。その後も、港湾などの海上土木を中心にインフラ整備を数多く手がけ、社会基盤の構築を支えています。一方、日産建設は日立鉱山での環境問題であった煙害を「大煙突」の建設により解決へ導いたのが原点です。そして、関東大震災の災害復旧のために創業しています。
─ 岸 : 合併直後、社内はどんな様子だったでしょうか?
─ 村崎 : 私は合併をリアルタイムに経験しましたが、両社とも独自の企業文化を持っていましたから、大変でしたね(笑)。例えば、社内での決裁手順はまったく違っていました。
─ 向井 : 私も、同業他社との接し方と立ち位置がまったく違っていて驚いた記憶があります。
─ 永尾 : 両社それぞれに歴史がありましたが、この合併により事業的には、足りない部分を補い合うことで、海上土木と陸上土木、そして建築を一手に担える存在になることができました。これは、当社の大きな強みになっています。そして当社は現在、この強みを活かして「国土強靱化」に大きく貢献しています。また、東日本大震災ではインフラ復旧、復興工事にも多く携わりました。創業時の理念・想いは、これからも大切にする必要があると感じています。
社名変更の目的は「真の融合・融和」
─ 岸 : 今回、社名を変更された理由をお聞かせください。
─ 永尾 : 2社が合併してから23年が経過していますが、「真の融合・融和」が十分ではなかったと感じたのが大きな理由の1つです。例えば、旧りんかい建設・旧日産建設の社員が会議の場で、「りんかいさん」「日産さん」と互いに呼び合うことが、いまだにあるのです。
─ 岸 : 合併の後に入社した社長から見ると、同じ会社の人間が「りんかいさん」「日産さん」と呼び合うことには違和感があったことでしょうね。
─ 永尾 : そうですね。海上土木に強みを持つ会社と建築、陸上土木に強みをもつ会社が合併したわけですが、2つは似て非なるもの。社名変更と社内の融合は、旧りんかい建設・旧日産建設のいずれの出身でもないニュートラルな立場の私がやるべき仕事だと感じています。
新社名に込めた、さまざまな意味
─ 岸 : 次に新社名「RN建設」について伺います。「RN」は「りんかい」と「日産」の頭文字であると同時に、本冊子のタイトル「RN サステナビリティ・レポート」や、社内プロジェクト「RN THE FUTURE PROJECT」などに使われていますね。
─ 永尾 : 創業100周年のコンセプト「READY FOR NEXT100」や、長期ビジョンのコンセプト「Smile RiNnovation」にもRとNが使われています。
─ 岸 : RN建設にとって特別な意味を持つ2文字を、新社名に使われたのですね。
─ 永尾 : そのとおりです。新社名は、りんかい建設と日産建設の2社が、そして合併後のりんかい日産建設が歩んできた歴史を守り、次世代に継承したいという想いを込めています。そして「READY FOR NEXT」、つまり「未来に向けての準備」という意味も重ねました。当社の経営理念である「人・社会・環境との共生」を、そして「建設は、ひとづくり。」というスローガンや「Smile RiNnovation」を、新たな社名のもとで実現・達成したいと思っています。
─ 村崎 : 新社名はカタカナや造語なども検討しましたが、当社のアイデンティティを表現するには、この2文字が最適と判断しました。
─ 向井 : 社名にアルファベットを使っている建設会社は非常に少ないので、注目されやすいという狙いもあります。海外でも覚えていただきやすいですしね。
─ 村崎 :「RN」は社員がそれぞれの想いを込めやすいとも感じています。
─ 岸 : それは、どのような想いでしょうか?
─ 村崎 : 私個人としては、「RN=Right Now」、つまり「今まさに」という意味もあると思っています。「準備万端、さあ今いくぞ!」という感じですね(笑)。
─ 向井 : 私は「Reliability(信頼性)」と「New Value(新たな価値)」の意味合いも含めたいと考えています。「諸先輩方への敬意と社会からの信頼を礎に、新しい価値を創り出していく」 という意味です。
─ 岸 : 新社名に込められた想いは、とても理念的で、包括力の高い名称ですね。
「持続可能な事業」の強化
─ 岸 : 新社名とサステナブル経営の関連性についてもお伺いします。今後、RN建設として特に注力したい持続可能な取り組みはありますか。
─ 永尾 : 2021年に立ち上げた「環境・再生エネルギー部」の事業は今後も注力し、新たな柱に育てたいですね。
─ 岸 :「環境・再生エネルギー」は世の中的に今後ますます需要があることが予想されていますね。他に事業関連で挑戦したいことはありますか?
─ 永尾 : 先ほども申し上げた国土強靱化や防衛関連への貢献、そして造船業界への貢献ですね。政府は「骨太方針2025」において、造船業を再生・強化し、海事クラスターの強靱化を目指す方針を決定しました。これは、日本一・世界第4位の造船会社である今治造船さんが筆頭株主であり、海上土木や造船ドック建設件数で日本一の実績と技術を有する当社にとって、絶好の機会だと捉えています。
─ 岸 : 先日、南鳥島沖でレアアースを含む泥の採取に成功したというニュースがありましたが、海事産業は今後さらに注目されると思います。今後は今治造船様との連携も重要になりま すね。
─ 向井 :当社のドック建設を通じて培ったノウハウを活かせば、今治造船さんの目指す国家的戦略を推進させ、日本の発展に大きく寄与できると思います。
岸 和幸